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インスリンを産生する膵臓の細胞(膵β細胞)が、ある時から壊れていき、インスリンが分泌されなくなってしまう疾患です。
原因は、はっきりとはわかっていませんが、免疫系の異常により、自らの細胞が攻撃される「自己免疫」によるものと考えられています。
1型糖尿病では、血糖値を下げるホルモンであるインスリンの分泌が極度に低下するか、ほとんど分泌されなくなるため、血中の糖が異常に増加し、重篤な症状を引き起こしかねません。
1型糖尿病の治療は、無くなったインスリンを適切に補充することです。インスリン薬の開発される以前は命を落とす病気でした。しかし現代ではインスリン注射薬を用いて血糖値のコントロールを行い糖尿病の合併症を予防するという病気になりました。しかし、現実には血糖値のコントロールが不安定で難しい場合もあります。インスリン治療を中断しないことが何より重要です。
また、現在インスリン補充以外の治療法としては、「膵臓移植」もあります。さらに先進的な医療としては「膵島移植」や「人工膵島」、さらには再生医療や遺伝子治療などの研究も進められています。しかし、移植への敷居は高いのが現状です。
生活習慣による影響が強く、日本人に最も多いタイプの糖尿病です。加齢や遺伝的要因のほか、食べ過ぎや運動不足、肥満、ストレスなどの生活習慣の乱れが要因とされています。日本の糖尿病患者さんの90%以上は、この「2型糖尿病」です。
「1型糖尿病」と違いインスリン分泌が枯渇することはありませんが、インスリンの働きの低下・分泌の低下が相まって起こります。
加齢や遺伝的要因のほか食べ過ぎや運動不足など様々な要因が考えられるため、生活習慣の是正、内服薬やインスリン注射の薬物治療などを用い病態に合わせて血糖をコントロールしていきます。
妊娠中に血糖値が高くなったり、初めて血糖値が高い状態が発見されたりしたケースを「妊娠糖尿病」と言います。
妊娠中に血糖値が高い場合には、母体では早産、妊娠高血圧症候群、羊水過多症、尿路感染症が、胎児には巨大児、新生児の低血糖が起きやすく、子宮内で胎児が死亡することもあります。
治療は食事療法から開始しますが。血糖値が高い時にはインスリン療法が必要です。出産後に血糖値は改善することが多いのですが、妊娠前から血糖値が高かったと考えられる妊婦さんでは、分娩後も治療を続けます。
また、日頃から血糖値が高めの女性は、妊娠前に血糖値を測定し、高かった場合には治療を行い、改善してから妊娠するのが、生まれてくる赤ちゃんのためにも大切です。
他の病気が要因となって起こる糖尿病です。つまり、他に基礎疾患があったり遺伝的に規定されていたりすることで糖尿病になってしまうタイプです。原因疾患にはいろいろなものが知られていますが、内分泌疾患、肝疾患、膵疾患、遺伝子疾患などのほか、他疾患の治療に用いる薬物(ステロイドなど)による副作用で起こる場合もあります基礎疾患が改善してくると、糖尿病の状態も改善する場合もあります。